アブストラクト(10巻1号:神奈川歯学)

神奈川歯学

Japanese

Title : 生態学的う蝕病因説 (抄録)
Subtitle : 第9回総会特別講演
Authors : 大西正男
Authors(kana) :
Organization : 東京医科歯科大学予防歯科学教室
Journal : 神奈川歯学
Volume : 10
Number : 1
Page : 63-65
Year/Month : 1975 / 6
Article : 報告
Publisher : 神奈川歯科大学学会
Abstract : 過去80年余りの歯科界でう蝕の病因論といえば, ミラーの "Chemicoparasitical Theory" がそれを代表していたと思う. この学説を意訳すると, 「う蝕の微生物化学説」ということになると思う. というのは, ここでは生態学的な意味での病源菌 (Parasites) の概念は勿論, 宿主側の反応も無視されているからである. 歯質という生命物質が何 (酸と蛋白溶解酵素) でどのようにして (醗酵と腐敗) 破壊されるかという経過でう蝕発生を説明する前に, 彼がしなければならなかったことは, う蝕の発生にさいしては歯を生命現象と関係のない物質の現象として取扱うことができるかという方法論の吟味がなかったように思われる. 何故かというと, 彼は死んだ歯に起ったう蝕様変化には象牙質の反応を欠くという事実を無視して彼の理論を組立てたからである. この意味ではその後に現われたGottliebに始まる幾つかのう蝕病因説も, ミラー学説の追加であったり, 補足であったように思われる.
Practice : 歯科学
Keywords :