アブストラクト(15巻1号:神奈川歯学)

神奈川歯学

Japanese

Title : 口腔扁平苔癬に関する病理学的研究 - 特に上皮基底部と上皮下間葉系組織の変化について -
Subtitle : 神奈川歯科大学大学院歯学研究科博士論文内容および審査の要旨
Authors : 川畑守
Authors(kana) : かわばたまもる
Organization :
Journal : 神奈川歯学
Volume : 15
Number : 1
Page : 138-139
Year/Month : 1980 / 6
Article : 報告
Publisher : 神奈川歯科大学学会
Abstract : 「論文内容の要旨」 扁平苔癬は口腔粘膜にしばしば発症する難治性の慢性炎症性疾患であるが, その本態, 成り立ちについては不明な点が多い. 特に上皮基底細胞層, 上皮下固有層の組織変化の機構や性状およびそれらの変化の関連性については未だ形態的にも解明されていない. 今回, 著者は定型的な口腔扁平苔癬17例について, 上皮基底膜部を中心に, 上皮基底細胞層, 上皮下間葉系組織の形態的変化を同一ブロックを用いた光顕, 電顕的観察により検索し, さらに上皮下帯状浸潤細胞について細胞化学的に検索を加えた. その結果, 基底細胞のtonofilamentの形成不全を除き, 本症の上皮層, 上皮基底膜, 上皮下固有層の個々の形態的変化の多様性のなかで, これら諸変化に一定の関連性が認められ, A・B2群に大別できた. すなわち, A群では上皮基底膜(lamina densa)は離開, 断裂, 多層化がみられ, 光顕的に基底細胞層は炎症変性が強く, 電顕的には基底細胞間離開が高度で, 細胞質内に水腫あるいは空胞変性がみられるものもあるが, desmosome自体の構造は保たれていることが多い.
Practice : 歯科学
Keywords :