アブストラクト(22巻1号:神奈川歯学)

神奈川歯学

Japanese

Title : アスパラギン酸のラセミ化反応を利用する歯からの年齢推定とその応用に関する研究
Subtitle : 神奈川歯科大学大学院歯学研究科博士論文内容および審査の要旨
Authors : 杉田久
Authors(kana) : すぎたひさし
Organization : 神奈川歯科大学法医学教室
Journal : 神奈川歯学
Volume : 22
Number : 1
Page : 247-248
Year/Month : 1987 / 6
Article : 報告
Publisher : 神奈川歯科大学学会
Abstract : 「論文内容の要旨」歯から正確に年齢推定することは, 歯科法医学上, 最も重要な課題であり, 多くの報告がみられる. しかし, そのほとんどは, 形態的な変化を観察するものであった. 1975年, Helfmanらは, 初めてアスパラギン酸のラセミ化反応を歯(エナメル質, 象牙質)の年齢推定に応用し, 従来にない好結果を報告している. また, わが国でも, その後, 二, 三の報告がみられる. そこで, 本研究は, このアスパラギン酸のラセミ化反応を利用し象牙質からの年齢推定について, さらに, 基礎実験を試みるとともに, その応用例として, 実際の身元不明死体の歯から年齢推定を行い, これまでに身元が確認された資料14例について検索したところ以下の成績が得られた. 1)水中および乾燥状態における象牙質のアスパラギン酸ラセミ化反応速度は, 速度論的検討によれば, 乾燥状態(36℃:k=0.00017012yr-1)より水中(36℃:k=0.0007322yr-1)で速く, 生体中の歯に近い速度(k=0.000464yr-1)を示し, また, 抜歯後, 大気中に放置(10~20年)されても, ほとんどD/L比は増加しない結果(乾燥・16℃:k=0.00000444yr-1)が得られた.
Practice : 歯科学
Keywords :