アブストラクト(22巻2号:神奈川歯学)

神奈川歯学

Japanese

Title : 軟口蓋腫瘍摘出後Speech Aidにより発音回復をはかった1例
Subtitle : 症例
Authors : 大橋三喜男, 新藤潤一, 青木英夫*1, 仁科匡生*2, 浮谷實*2
Authors(kana) :
Organization : 神奈川歯科大学口腔外科学教室, *1神奈川歯科大学補綴学教室第三講座, *2神奈川歯科大学附属技工専門学校
Journal : 神奈川歯学
Volume : 22
Number : 2
Page : 409-415
Year/Month : 1987 / 9
Article : 報告
Publisher : 神奈川歯科大学学会
Abstract : 「緒言」軟口蓋は咽頭壁の運動機能との協調により, 発音時には後上方へ挙上運動を起こし, 鼻咽腔閉鎖を行う器官である. したがって, 軟口蓋に障害が見られる場合には, 鼻咽腔閉鎖不全をきたし, 開鼻声が出現する. 鼻咽腔閉鎮不全の治療は外科的処置と補綴的処置に分けられるが, 外科的処置によって十分な機能回復が望めないとき, あるいは種々の理由で閉鎖手術を受けられないときはSpeech aidを装着することになる. Speech aidは構造的には床・レジン球および両者を連結する金属線より成り, 装着時にはレジン球が鼻咽腔に挿入され, 発音時にはその間隙を軟口蓋と咽頭壁の運動で閉鎖するようにレジン球を調整する. Speech aidを使用する機会が最も多いのは口蓋裂であるが, その他腫瘍摘出や外傷による軟口蓋欠損, 筋肉や神経の機能障害などが適応となる. 口蓋裂ではいろいろな先天的機能不全や, 不自然な発音の習慣などがあって, 言語治療をむずかしくしている.
Practice : 歯科学
Keywords : 軟口蓋欠損, 発音障害, 開鼻声, Speech aid