アブストラクト(26巻3号:神奈川歯学)

神奈川歯学

Japanese

Title : MRL/1prマウス (リンパ球増殖遺伝子と自己免疫) の口腔領域に発現する動脈炎の形成機序についての免疫病理学的研究 - 特にその組織学的病態と遺伝的背景について -
Subtitle : 神奈川歯科大学大学院歯学研究科博士論文内容および審査の要旨
Authors : 窪田展久
Authors(kana) : くぼたのぶひさ
Organization : 神奈川歯科大学
Journal : 神奈川歯学
Volume : 26
Number : 3
Page : 320-321
Year/Month : 1991 / 12
Article : 報告
Publisher : 神奈川歯科大学学会
Abstract : 自己免疲疾患の動物モデルとして, 開発研究されてきたmurine lupusは唾液腺炎が自然発症することからSjogren症候群のモデル動物として注目されてきた. 筆者はMRL/1prマウスに自然発症する口腔病変を検索中, 顎下腺と舌に発現する各々の動脈炎が異なった病理組織学的形態を呈することを見出した. 本論文では1pr遺伝子の発現によって生じるマウスの免疫異常とそのeffector siteとしての臓器障害である顎下腺と舌に発現する動脈炎の免疫病理学的, 電顕的検索を行い, 両病変の成立機序の相違を検討した. 結果: 舌および顎下腺に発現する動脈炎の病態には, その形成過程に大きな相違が認められた. 即ち, 舌動脈炎では比較的大型の筋性動脈にその発現が多く, その病態は種々の程度の好中球浸潤を伴い, IgG免疫複合体と補体C3成分の沈着をみる無構造な動脈壁の肥厚並びにIgG免疫複合体を貪食したマクロファージの著しい増殖を主体とした肉芽腫性動脈炎であった.
Practice : 歯科学
Keywords : MRL/1prマウス, 動脈炎, 唾液腺炎, 1pr遺伝子, マクロファージ