アブストラクト(26巻3号:神奈川歯学)

神奈川歯学

Japanese

Title : ニホンザル歯髄の血管構築と成熟に伴う変化について
Subtitle : 神奈川歯科大学大学院歯学研究科博士論文内容および審査の要旨
Authors : 氷見元治
Authors(kana) : ひみもとはる
Organization : 神奈川歯科大学
Journal : 神奈川歯学
Volume : 26
Number : 3
Page : 329-330
Year/Month : 1991 / 12
Article : 報告
Publisher : 神奈川歯科大学学会
Abstract : サルは一般に最もヒトに近い動物といわれ, 種々の実験に用いられてきた. しかし, 歯に関してはヒトと異なり末端退化の現象が臼歯部でみられない. 歯髄腔のX線像では歯根尖未完成にもかかわらず, 歯冠部歯髄腔の強度の縮小がみられた. 象牙質の形成に関与する歯髄血管網に着目し, その形態学的変化と歯髄組織の加齢による変化を, 合成樹脂注入血管鋳型法と組織学的研究法による検索を行った. 実験にはニホンザル(Macaca fuscata)の犬歯および大臼歯を用いた. 萌出しているが根尖未閉鎖の犬歯では, 歯冠歯髄腔は歯槽骨縁の高さから急激に縮小し髄角に達していた. その部分では象牙芽細胞層も消失し, わずかに毛細血管網が残存していた. 舌側の歯根歯髄表層にはイヌ, ヒトに見られる終末毛細管網(terminal capillary network; TCN), 毛細血管網(capillary network; CN), 細静脈網(venular network; VN)の三層の血管網が観察され, 象牙芽細胞層も厚く象牙質の形成が盛んであることを示唆している.
Practice : 歯科学
Keywords :