アブストラクト(30巻4号:神奈川歯学)

神奈川歯学

Japanese

Title : う蝕への対応- 根面う蝕を中心として -
Subtitle : 神奈川歯科大学学会三十周年記念総会 セッション2. 高齢化社会における歯科治療
Authors : 寺中敏夫
Authors(kana) :
Organization : 神奈川歯科大学保存修復学講座
Journal : 神奈川歯学
Volume : 30
Number : 4
Page : 452-459
Year/Month : 1996 / 3
Article : 報告
Publisher : 神奈川歯科大学学会
Abstract : 〔はじめに〕近年の歯科医学の進歩, 発展は目ざましく, それに伴って歯を可及的に保存して永くその機能を果たさせようとする考えは, 臨床医のみならず社会的にも広く浸透しつつある. さらには, 厚生省の施策の一つである成人歯科保健対策推進事業, 所謂8020運動により, 成人一人当りの歯の保有率は今後ますます向上することが予想されている. 実際, 歯周病の原因解明や治療法の普及, および個人の口腔清掃の重要性に対する認識の向上などにより歯が保存された結果, 歯肉退縮や歯根露出を惹起した中高齢者の症例を, 日常の臨床で頻繁に経験する機会が増加しつつあるように思われる. 歯根を構成する象牙質やセメント質はエナメル質に比較して石灰化度が低く, 結晶サイズも小さいため, 口腔環境に露出された根面の占める割合が増加するにつれて, 当然のことながら, 根面う蝕に罹患する危険性は高くなる. しかも根面の露出は同一口腔内で連続的に多数歯にわたり発現することが多く, その隣接面は解剖学的形態や位置から自浄作用が及びにくく, プラークも付着しやすく, 口腔清掃も困難である.
Practice : 歯科学
Keywords :