アブストラクト(31巻3号:神奈川歯学)

神奈川歯学

Japanese

Title : 上顎洞を圧排狭小化した歯根嚢胞の1例
Subtitle : 症例
Authors : 長谷川秀行
Authors(kana) :
Organization : 横浜船員保険病院歯科口腔外科
Journal : 神奈川歯学
Volume : 31
Number : 3
Page : 274-277
Year/Month : 1996 / 12
Article : 報告
Publisher : 神奈川歯科大学学会
Abstract : 「緒言」歯根嚢胞は, 一般にその発育がきわめて緩慢であるため, 嚢胞を取り囲んでいる骨を圧排, 非薄化させ, 時には骨の隆起をおこすこともある. 今回, 著者は上顎洞底部の隆起をおこし, 上顎洞を圧排狭小化させ, かつ前壁の骨破壊を伴った興味深い歯根嚢胞の1例を経験したのでその概要を報告する. 「症例」患者:29歳女性 初診:昭和62年8月10日 主訴:左側頬部の腫脹 既往歴ならびに家族歴;ともに特記事項なし 現病歴:昭和62年6月中旬頃, 左側頬部に圧痛を自覚. 近医歯科を受診し, L5の根管治療を受けていたが, 同年8月8日頃より腫脹が発現, 増大傾向を示したため当科を紹介され来院した. 現症:全身所見;体格, 栄養状態ともに中等度で, その他, 特記事項はなかった. 顔貌所見;左側頬部の腫脹のためやや左右非対称であった. また, 軽度の圧痛を訴えたが自発痛はなかった. 口腔内所見;左側唇頬側歯肉より歯肉頬移行部にかけて弾性軟の波動を伴う腫脹を触知した.
Practice : 歯科学
Keywords : 歯根嚢胞, 上顎洞, 狭小化