アブストラクト(33巻4号:神奈川歯学)

神奈川歯学

Japanese

Title : 歯による個人識別におけるDNA分析の有用性
Subtitle : 神奈川歯科大学大学院歯学研究科博士論文内容および審査の要旨
Authors : 渡邉麻子
Authors(kana) : わたなべあさこ
Organization : 神奈川歯科大学大学院歯学研究科口腔生化学講座
Journal : 神奈川歯学
Volume : 33
Number : 4
Page : 216-217
Year/Month : 1998 / 12
Article : 報告
Publisher : 神奈川歯科大学学会
Abstract : 「論文内容要旨」 法医実務において, 死体の個人識別に伴う, 性別, ABO式血液型の特定は最も基本的な作業である. 近年, それらの作業にDNA分析が取り入れられ, PCR法の応用が主流となりつつある. 特に歯は保存性の高さからDNA抽出源として重要性を増している. 今回, 著者は髄壁象牙質に残った髄壁細胞からDNAを抽出し, PCR法による性別判定およびABO遺伝子型判定を行った. 神奈川県在住の患者から治療目的で抜歯された性別既知の40歯を用いたところ, 性別は抜去歯すべてにおいて正確に判定され, またABO式遺伝子型は, 40歯中35歯の判定が可能であった. 遺伝子頻度は, A(p) ; 0.443, B(q) ; 0.214, そしてO(r) ; 0.343であり, 日本人の平均的遺伝子頻度に比べ, r遺伝子が低い傾向を示したが, PCR法で判定不可能であった5歯について, 歯髄を用いた解離試験の結果(すべてO型)を参考とすれば, ほぼ平均的な遺伝子頻度となり, 分析結果の確実性を証明した.
Practice : 歯科学
Keywords :