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アブストラクト(38巻2/3号:神奈川歯学)
Japanese
Title : | Bisphenol AおよびBisphenol A類似化合物の分子構造とエストロゲン活性の関係 |
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Subtitle : | 神奈川歯科大学大学院歯学研究科博士論文 内容および審査の要旨 |
Authors : | 室井剛史 |
Authors(kana) : | むろいたけし |
Organization : | 神奈川歯科大学大学院歯学研究科歯科矯正学講座 |
Journal : | 神奈川歯学 |
Volume : | 38 |
Number : | 2/3 |
Page : | 117-118 |
Year/Month : | 2003 / 9 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 神奈川歯科大学学会 |
Abstract : | [論文内容要旨] ビスフェノールA(BPA)は, 義歯床や矯正用ブラケットに使われているポリカーボネート(PC)の原材料であるが, エストロゲン作用を持ち, 内分泌攪乱化合物の疑いが持たれている. そこでBPAと化学構造が似ているBPA類似化合物のヒト乳ガン細胞(MCF-7)におけるエストロゲン活性から化学構造とエストロゲン活性の相関を検索した. はじめにPCおよびポリサルフォン(PS)に残存するBPAとビスフェノールS(BPS)量とPBS(-)溶液に溶出するBPAおよびBPS量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により定量分析した. さらにエストロゲンに応答するMCF-7に対して, PC抽出BPA, BPA類似構造化合物およびフタル酸エステル類を10pM~10μMの濃度に分け添加し, 細胞増殖とプロゲステロンレセプター(PR)mRNAの発現によりエストロゲン様活性を検索した. その結果, PCでは99.6~127.0ppmのBPA, PSには13.9~14.0ppmのBPAおよび13.4~13.8ppmのBPSが残留しており, PBS(-)溶液へはPCから4.0~5.3ppmのBPA, PSから2.8~7.0ppmのBPA, 5.6~6.0ppmのBPSが溶出した. 細胞試験ではpositive controlのDESとBPAを含む4種類の化学物質で強いエストロゲン様活性が認められ, PC抽出BPAと7種類の化学物質で弱いエストロゲン様活性が認められたが, その他の化学物質とフタル酸エステル類ではエストロゲン様活性が認められなかった. DESと細胞増殖で強い活性があった物質でPRmRNAの発現の誘導が認められた. エストロゲン様活性が認められた化学物質のすべてにはフェノール基をもつことがわかった. またエストロゲンレセプター(ER)のアンタゴニスト(Tamoxifen)でBPAの細胞増殖とPRmRNAの発現の誘導が抑えられたことでMCF-7はERを介して増殖していることが証明された. |
Practice : | 歯科学 |
Keywords : |