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アブストラクト（38巻2/3号：神奈川歯学）
Japanese
| Title ： | 各種疎水性メタクリレートモノマーを用いたレジン材料の機械的性質と疎水性モノマーの細胞毒性 |
|---|---|
| Subtitle ： | 神奈川歯科大学大学院歯学研究科博士論文 内容および審査の要旨 |
| Authors ： | 下山和夫 |
| Authors（kana） ： | しもやまかずお |
| Organization ： | 神奈川歯科大学歯科理工学講座 |
| Journal ： | 神奈川歯学 |
| Volume ： | 38 |
| Number ： | 2/3 |
| Page ： | 120-121 |
| Year/Month ： | 2003 / 9 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 神奈川歯科大学学会 |
| Abstract ： | [論文内容要旨] PMMAに換わる機械的性質に優れた, 吸水量の少ない義歯床用レジンを開発するために, メチルメタクリレートのメチルエステル基を脂肪族および芳香族の疎水性官能基に換えた疎水性モノマーを用い, それらモノマーとMMAとの共重合体の圧縮, 曲げ, 曲げ弾性率, 吸水, 重合収縮およびモノマー溶出を評価し, 合わせてそれらモノマーの細胞毒性試験を行った. それら疎水性モノマーとしては, n-ヘキシル-(HE), n-ドデシル-(DE), シクロヘキシル-(CYE), ノルボニル-(NB), フェニル-(PH)およびベンジル-(BE)を用いた. コントロールにはMMAおよびPMMAを用いた. その結果, 圧縮強さでは, HEとMMAおよびDEとMMAの共重合体(HE-MMACoおよびDE-MMACo)はPMMAに比べ低下したが, CYEとMMA, NBとMMA, PHとMMAおよびBEとMMAの共重合体(CYE-MMACo, NB-MMACo, PH-MMACoおよびBE-MMACo)はPMMAと有意差はなかった. 曲げ強さの場合, HE-MMACo, DE-MMACoはPMMAに比べ低下したが, CYE-MMACo, NB-MMACo, PH-MMACoおよびBE-MMACoはPMMAと有意差は認められなかった. 曲げ弾性率の場合, HE-MMACo, DE-MMACoはPMMAより低下したが, CYE-MMACo, NB-MMACo, PH-MMACoおよびBE-MMACoでは有意差はなかった. 吸水量の場合, 疎水性モノマーの添加により, すべての共重合体でPMMAの約1/2に低下した. 重合収縮の場合, HE-MMACoおよびDE-MMACoはPMMAと同程度あったが, CYE-MMACo, NB-MMACo, PH-MMACoおよびBE-MMACoではMMA単独より明らかに小さくなった. 各重合体からのモノマーの溶出量は, コントロールのPMMAの場合, 重合体1gあたりMMAが約10.7μg溶出した. 各共重合体の試料では, MMAの溶出量はPMMAの場合と同程度であったが, 各疎水性モノマーはほとんど検出されなかった. 細胞毒性試験では毒性の強さを50%細胞阻止濃度(IC50)で比較するとDEが最も強く, ついでNB>PH>HE, BE>CYEの順であった. またHEとBEの細胞増殖率は低濃度で増加傾向を示した. 以上の結果より直鎖状の官能基をもつHEとDEの疎水性モノマーでは, PMMAに比べ機械的性質が低下するが, 脂肪族環状および芳香族の官能基に換えた疎水性モノマーでは, PMMAに比べ, 機械的強度, 重合収縮, 耐吸水性などの歯科理工学的性質が優れ, 床用レジン材料として有用であると考えられる. |
| Practice ： | 歯科学 |
| Keywords ： |
