アブストラクト(38巻2/3号:神奈川歯学)

神奈川歯学

Japanese

Title : Effects of a supplement containing vitamin K2(MK7) and calcium phosphate (salmon bone powder) on the femur trabecular structure in OVX mice: A study using three-dimensional imaging analysis
Subtitle : 神奈川歯科大学大学院歯学研究科博士論文 内容および審査の要旨
Authors : 藤川隆義
Authors(kana) : ふじかわたかよし
Organization : 神奈川歯科大学歯科放射線学講座
Journal : 神奈川歯学
Volume : 38
Number : 2/3
Page : 124-125
Year/Month : 2003 / 9
Article : 報告
Publisher : 神奈川歯科大学学会
Abstract : [論文内容要旨] 鮭骨微粉末と, 納豆菌から抽出された天然型ビタミンK2(メナキノン7:MK7)を混合したサプリメントの骨梁構造改善効果について検討を行った. 実験サプリメントとして, 炭酸カルシウム1.2%含有飼料, 炭酸カルシウム2.0%含有飼料, 鮭骨微粉末をカルシウム源としたリン酸カルシウム2.0%含有飼料, 5.0%含有飼料, 0.05%ビタミンK2添加リン酸カルシウム2.0%含有飼料を作成した. 卵巣摘出術あるいは擬手術を施行した4週齢ICR系マウスを炭酸カルシウム1.2%含有飼料で1ヵ月間飼育した後, 実験サプリメントを自由に摂取させ3ヵ月間飼育した. 3ヵ月後に採血および大腿骨摘出を行い, イオン電極法による血清カルシウム濃度の測定と, 大腿骨遠位骨幹端部骨梁構造の三次元的エックス線画像解析を行った. 三次元的エックス線画像解析にはエックス線マイクロCTと骨梁構造計測ソフトウェアーを用い, 骨梁構造の指標として骨梁数, 骨梁幅, 骨梁間隙, 相対的骨梁体積, 骨梁表面積, 骨梁単位体積当たりの骨梁表面積, フラクタル次元, および連結性密度を測定した. 各測定結果に関しては, Tukey-Kramer多重比較検定を用いて統計学的に解析した. さらに, エックス線マイクロCTの撮像データをサーフェイスレンダリング法を用いて三次元再構築し, 骨梁構造改善効果を視覚的に確認した. 実験サプリメント投与3ヵ月後, 全群間の血中カルシウム濃度には有意差を認めなかった. リン酸カルシウム含有飼料を投与したOVX群では, 炭酸カルシウム含有飼料を投与したOVXコントロール群と比較して骨梁構造の改善効果が認められ, 骨梁幅の有意な改善を示した. しかしながら, リン酸カルシウム含有量を2.0%から5.0%に増加しても, 骨梁構造改善効果の明らかな増強は認められなかった. 一方, 2.0%リン酸カルシウムにビタミンK2を添加した飼料が投与されたOVX群においては, 骨梁構造改善効果の著明な増強が認められ, 2.0%炭酸カルシウム含有飼料を投与したOVXコントロール群と比較して, 骨梁数, 骨梁幅, 相対的骨梁体積, 骨梁表面積, 骨梁単位体積当たりの骨梁表面積, フラクタル次元, 連結性密度の各指標において有意な改善が認められた. また, 2.0%リン酸カルシウム含有飼料投与OVX群と比較しても改善効果のさらなる増強を認め, 骨梁表面積の有意な改善が確認された. さらに, これらの結果は三次元再構築画像により視覚的にも確認された. 以上の結果から, 鮭骨微粉末を用いたリン酸カルシウムは骨粗鬆症における骨梁構造の改善に有用であり, さらに納豆菌から抽出されたビタミンK2(MK7)を添加することによって, 骨梁構造改善効果をさらに増強し得ることを骨粗鬆症モデルマウスを用いて実証した.
Practice : 歯科学
Keywords :