アブストラクト(38巻2/3号:神奈川歯学)

神奈川歯学

Japanese

Title : ガッタパーチャを用いた根管充填の根尖封鎖性
Subtitle : 神奈川歯科大学大学院歯学研究科博士論文 内容および審査の要旨
Authors : 竹内寛司
Authors(kana) : たけうちかんじ
Organization : 神奈川歯科大学歯科保存学講座
Journal : 神奈川歯学
Volume : 38
Number : 2/3
Page : 126-127
Year/Month : 2003 / 9
Article : 報告
Publisher : 神奈川歯科大学学会
Abstract : [論文内容要旨] 根管治療の成功を左右する大きな因子として, 確実な根管の拡大, 形成, 根管の消毒, および緊密な根管充填があげられる. なかでも, 根管充填は根管治療の終末処置として, 治療成績を左右する最も大きな因子であるとされている. そのため, 古くから根尖封鎖性に優れ, より効率的な多くの根管充填法が考案されてきた. 本研究では, まず同一条件下で拡大, 形成された根管に対して, 根管内の印象採得を行い, 根管形成後の根管内形態を観察した. その上で, 現在, 広く用いられている数種の根管充填方法に対して, 色素浸透性試験を行い, 封鎖性に優れ, より効率的な根管充填方法を根管内形態を加味して比較検討した. その結果, Standardized Preparation法で根管形成された根管内径は, 形成に用いた最終拡大器具の直径より0. 02~0. 03mm太くなることが示された. この状態で広く用いられている側方加圧充填法による根管充填を行うと, 最終拡大器具と同一号数のガッタパーチャポイントでは適合性が悪く, 根尖の封鎖性も著しく劣ることが示された. 一方, ガッタパーチャポイントを根管形成後の根管内径に即して調整したポイント, および予め試作したポイントを用いて根管充填を行うと, 根尖の封鎖性は著しく改善されることが明らかになった. また, 近年普及しつつある代表的な3種のThermofill法(0btura II, 0bturation Gutta NT, Ultrafil)を用いて, 側方加圧充填法と同一条件下で根尖封鎖性試験を行った結果, 根尖部付近にまで機械力が及んで充填するObturation Gutta NTで, 比較的良好な根尖封鎖性が得られることが示唆された. さらに, 側方加圧充填法とThermofill法を比較すると, 十分に根管形成後の根管内径にあったガッタパーチャポイントを用いれば, 側方加圧充填法でもObturation Gutta NTに遜色ない封鎖性が得られることが示された. 以上の結果から, 現在大多数の大学教育で採用されているStandardized Preparation法では, 根管充填に使用する市販の規格化されたガッタパーチャポイントを再考し, 拡大, 形成後の根管内径に適したサイズに改めれば, より効率的で, 封鎖性に優れた根管充填が期待できることが示された.
Practice : 歯科学
Keywords :