アブストラクト(39巻4号:神奈川歯学)

神奈川歯学

Japanese

Title : どこまでわかった,ストレスと咬合との関係
Subtitle : 公開シンポジウム
Authors : 佐藤貞雄
Authors(kana) :
Organization : 顎機能先端研究センター 神奈川歯科大学成長発達歯科学講座矯正学分野
Journal : 神奈川歯学
Volume : 39
Number : 4
Page : 157-157
Year/Month : 2004 / 12
Article : 報告
Publisher : 神奈川歯科大学学会
Abstract : 序文 現代医学におけるストレスと疾患との関係の解明は先端的研究課題の一つとなっている. また, この課題は咬合との関係で歯科医学的にも重要な意味があると考えられ, 基礎および臨床科学的な研究が必要な領域となっている. とくにブラキシズムを視野に入れた新しい歯科医療の創生は歯科医学にとって急務の課題と考えられる. 神奈川歯科大学顎機能総合歯学先端研究センターは平成12年文部科学省の私立大学学術研究高度化推進事業バイオベンチャー研究開発拠点整備事業の選定を受けて設立された. 本研究センターは顎関節機能診断と解析のための先端技術開発および先端治療-個の医療の確立-を研究課題とする5年間のプロジェクトである. 本研究を構成するいくつかの研究プロジェクトのなかで今回, 顎口腔系機能とブラキシズム, 脳機能の関連性および顎機能障害の治療に関する総合臨床科学的研究という課題で研究を進めてきたプロジェクトの研究成果報告として公開シンポジゥムを企画した. 多くの皆様からの意見をいただければ幸いである. 本研究プロジェクトは, 具体的な研究課題として, 動物実験によるストレスに対する脳および全身の反応の解析とそれに対する咀嚼器官活動の影響, ヒトの脳内活動における咬合の影響, 咀嚼器官のブラキシズム機能と歯科疾患との関係, 咀嚼器官および顎関節機能を重視した咬合治療法の開発, などをとりあげ検討してきた. この5年間の研究活動で, 咀嚼器官は想像以上に全身の機能と深く結びついていること, とくに生体のストレス反応の制御に果たす役割が大きいことをはじめとして, ブラキシズムの生理的機能, 咬合診断の重要性, ブラキシズムと歯科疾患との関係など顎機能を含む咀嚼器官の新しい局面が見えてきたことが最大の収穫であった. 咀嚼器官を扱う歯科医学の重要な課題として, 咀嚼器官は全身の中で最も重要な器官であるということを認識し, 健康医学としての咬合学を確立することを目指して今後も研究を発展させたいと考えている.
Practice : 歯科学
Keywords :