アブストラクト(40巻1号:神奈川歯学)

神奈川歯学

Japanese

Title : 新規リン酸エステル塩型ハイブリッド界面活性剤による表面改質に関する研究 -ハイドロキシアパタイトおよびエナメル質表面の改質効果-
Subtitle :
Authors : 尾本直大
Authors(kana) :
Organization : 神奈川歯科大学口腔治療学講座歯科保存学分野
Journal : 神奈川歯学
Volume : 40
Number : 1
Page : 66-78
Year/Month : 2005 / 6
Article : 報告
Publisher : 神奈川歯科大学学会
Abstract : 近年我が国における低年齢者の齲蝕罹患率は低下傾向を示しており1~4), さらに日本歯科医師会と厚生労働省が推進している8020運動などの普及により口腔ケアに対する関心は高まりをみせている5, 6). しかしながら, 依然として成人の齲蝕および歯周病に対する予防は十分とは言えず, 成人における歯の喪失原因の約90%は齲蝕および歯周病で占められている7~9). これら齲蝕と歯周病の原因は歯面に付着, 停滞した細菌性プラーク(プラーク)であることは明らかであり, 原因となるプラークを歯面に付着させないことにより, 齲蝕および歯周病を効果的に予防することが可能と考えられる. また, 高齢化が急速に進む我が国において, 高齢者の口腔ケアもいまだ充分とはいえず10), 特に心身障害者や入院中で寝たきりの人の中には歯科を受診することが困難な場合もあり, 他の衛生面のケアはされていても口腔までは行き届いていないことが多い11). その結果, プラークの誤嚥による高齢者の肺炎の発症は少なくない12, 13). したがって, 歯面のプラーク量を減少させることは, 齲蝕および歯周病はもとより, 高齢者の誤嚥性肺炎の減少も可能にすると考えられる.
Practice : 歯科学
Keywords : ハイドロキシアパタイト, エナメル質, 界面活性剤, 表面改質