アブストラクト(41巻1号:神奈川歯学)

神奈川歯学

Japanese

Title : S1-1 頭頸部疼痛の神経解剖学
Subtitle : 神奈川歯科大学学会 第40回総会シンポジウムI
Authors : 高橋 理
Authors(kana) :
Organization : 神奈川歯科大学人体構造学講座組織学分野
Journal : 神奈川歯学
Volume : 41
Number : 1
Page : 68-71
Year/Month : 2006 / 6
Article : 報告
Publisher : 神奈川歯科大学学会
Abstract : 国際疼痛学会(IASP, International Association for the Study of Pain)の定義によると, 疼痛(痛み)painは「実際の, または潜在的な組織損傷をともなう不快な感覚的, 精神的な経験」とされる. 頭頸部の疼痛には三叉神経節の感覚ニューロンが主としてかかわるが, 本章では頭頸部に分布する脳神経の特徴, 三叉神経節ニューロンの自律神経系への関与, そして頭頸部疼痛の中枢機序という観点より考察する. 頭頸部を支配する脳神経を発生学的に分類すると, 三叉神経は顔面, 舌咽, 迷走, 副神経とともに鰓弓神経の一つと考えられる. 一般に鰓弓神経は消化器系の吻側端で特殊に分化した鰓弓に分布する神経と考えられており, 必然的に自律神経系(内臓神経系)を多く含む. その中でも最吻側部において体壁と内臓の移行部を支配する三叉神経系は, 他の鰓弓神経と異なり脊髄神経との相同性が強く, また一方では三叉神経系の独自性も合わせ持つのが特徴である.
Practice : 歯科学
Keywords : 疼痛, 頭頸部, 三叉神経