アブストラクト(44巻1号:神奈川歯学)

神奈川歯学

Japanese

Title : 咀嚼刺激による海馬機能改善機構の解明
Subtitle : 学位申請論文
Authors : 片岡烈
Authors(kana) :
Organization : 神奈川歯科大学成長発達歯科学講座歯科矯正学分野
Journal : 神奈川歯学
Volume : 44
Number : 1
Page : 82-91
Year/Month : 2009 / 6
Article : 報告
Publisher : 神奈川歯科大学学会
Abstract : 「緒言」近年, 咀嚼器官の活性化が海馬における認知機能の維持に重要であるという報告が多くされている. 海馬は側頭葉の内側に位置し, 情動の回路の中心を担う大脳辺縁系の一部である. 1950年代に行われたてんかんの治療で, 両側の海馬を取り除く手術を受けた患者が新しい情報を長期に留める能力を失ったことから記憶学習に深く関与していることが注目され, 現在では海馬が記憶の形成に重要であることは広く知られている1). また, 海馬はストレスに感受性が高く, ストレスにより構造的にも機能的にも最も早期に影響を受ける部位の一つであり2), 心的外傷後ストレス障害(posttraumatic stress disorder;PTSD)の患者では海馬が委縮していることも知られている. 五感の感覚器官によって受容されたストレス情報が内分泌系のストレス応答機構であるhypothalamic-pituitary-adrenal(HPA)軸を刺激すると, 下垂体から副腎皮質刺激ホルモン(adrenocorticotropic hormone;ACTH)の分泌が促進され, ACTH濃度の上昇は副腎皮質からのコルチコステロンの分泌を促す.
Practice : 歯科学
Keywords : チューイング, 海馬LTP, ストレス, ヒスタミン