アブストラクト(46巻1号:神奈川歯学)

神奈川歯学

Japanese

Title : DNA分析による異同識別および身元確認の識別精度向上について
Subtitle : 学位申請論文
Authors : 西村和真
Authors(kana) :
Organization : 神奈川歯科大学社会医歯学系社会歯科学講座法医学分野
Journal : 神奈川歯学
Volume : 46
Number : 1
Page : 73-85
Year/Month : 2011 / 6
Article : 報告
Publisher : 神奈川歯科大学学会
Abstract : 「緒言」DNA型分析による異同識別および血縁関係の推定は, 大学等研究機関や各都道府県警察の科学捜査研究所において広く行われている. 現在主流となっているのは常染色体上のshort tandem repeat(STR)のpolymerase chain reaction(PCR)増幅断片長の多型分析, 並びにミトコンドリアDNA(mtDNA)のhyper variable region 1, 2(HV1, HV2)の塩基配列の多型分析である. 前者は極めて高い識別精度を有し, 犯罪現場の試料と容疑者の試料との異同識別や身元不明遺体の身元確認における生前試料あるいは血縁者との比較において有効である. 後者は精度については常染色体STRには劣るもののマルチコピーかつ保存性が良好であることで検出感度が高く, さらに母系遺伝マーカーであるため母子, 同胞間の矛盾の有無を明確に示すことができる. STR分析で主流となっているAmpFlSTR Identifiler Kit(IF)(Applied Biosystems, USA)は, 日本では警察庁指定の常染色体STR型検査試薬であり, 微量かつ劣化した試料やPCR反応を阻害する物質の混在した試料でも非常に高い検出能力があるが, 捜査に必要な情報を検出するためにはすべての事例で十分であるとは言い切れない.
Practice : 歯科学
Keywords : short tandem repeat, likelihood ratio, Mini STR