アブストラクト(52巻1/2号:神奈川歯学)

神奈川歯学

Japanese

Title : 三浦半島における大規模災害時の身元確認に備えた生前DNAデータ収集とデータベースの構築およびその有効性についての研究
Subtitle : 調査
Authors : 宮川康一
Authors(kana) :
Organization : 神奈川歯科大学大学院歯学研究科災害医療歯科学講座法医歯科学
Journal : 神奈川歯学
Volume : 52
Number : 1/2
Page : 45-50
Year/Month : 2017 / 12
Article : 報告
Publisher : 神奈川歯科大学学会
Abstract : 「緒言」 2011年3月11日に発生した東日本大震災の際, 多数の身元不明遺体が生じた経緯から, 確実かつ迅速な身元確認を目的とした生前資料のデータベース化が急務となっている. 身元確認の主な手段として, 指紋, 歯科的所見, DNAがあげられる. 指紋は最も強力な身元確認手段であるが, 遺体の腐敗とともに採取が困難になることから, 身元確認に使用できるのは, 発災初期に限られる. 歯科的所見にあたっては遺体の口腔内所見と比較対照する生前資料が不可欠であり, X線画像やデンタルチャートの照合ソフトウェアを開発して身元確認の精度を高める動きも出てきている. しかし, 生前資料は保存期間が終了したことによる破棄, 津波・火災による喪失や消失によって, 身元確認が不可能な場合がある. DNAによる身元確認は時間と手間がかかるため, 通常は身元確認の最終手段とされている. しかし, 指紋の採取が不可能あるいは生前の歯科資料がない場合でも, DNAによる身元確認は可能である. DNAのデータベース化は多くの国や地域ですでに行われているが, そのほとんどは遺伝子頻度の調査であり, 身元不明遺体の特定を想定したものではなく, 本研究のごとく生前のDNAデータ収集およびデータベース構築の試みは国内外でも例がない.
Practice : 歯科学
Keywords : 身元確認, 生前DNA登録, データベース, 遺伝子頻度